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曲率テンソルの座標表示

明日、つどいの講演を個人的にもう一度やります!ringです◎

昨日の記事の最後に突然曲率テンソルの座標表示を載せたので、なんでそうなるかの計算を書いておきたいと思います。
今日は記事が短くなるように説明は省略して簡潔にいきたいと思います!

多様体$M$の上に接続$\nabla$が与えられると曲率テンソルが定義できます。
接続$\nabla$とは何かと申しますと、ベクトル場の組にベクトル場を対応させる双線形写像
\[\nabla :\mathcal{X}(M)\times \mathcal{X}(M)\rightarrow \mathcal{X}(M)\]
であって、第1成分については$\mathcal{C}^{\infty}(M)$線形
\[\nabla _{fX}Y=f\nabla_XY\]
で、Leibniz rule
\[\nabla _X(fY)=(Xf)Y+f\nabla_XY\]
を満たすもののことです。

今日は第1成分は省略して書くことにします。
そうするとLeibniz ruleは
\[\nabla (fY)=(df)\otimes Y+f\nabla Y\]
と書けます。$\otimes $はおまじない程度に思ってください。
($X$を代入すると$(df)\otimes Y(X)=(Xf)Y$と普通の積になる)

さて、各点で接空間の基底を成すようなベクトル場の組$\{e_i\}$をとります。
こんなものがglobalに存在するとは言えないので、多様体のすみっこの方でこっそりとることになります。
なので、こういうものをlocal frameと呼びます。

$\{e_i\}$は基底を成しているので、これらに応じた接続形式と呼ばれる1-formの組$\{\omega ^j_i\}$があって、
\[\nabla e_i=\omega^j_i\otimes e_j\]
と書けます。

ここで突然曲率形式と呼ばれる2-formの組$\{\Omega ^j_i\}$を以下で定義します。
(こいつらも$\{e_i\}$の取り方によってます)
\[\Omega ^j_i:=d\omega ^j_i-\omega ^k_i\wedge \omega ^j_k\]
これらがlocal frameの取り換えについて1価共変1価反変的に変換することがLeibniz ruleを使えば確かめられます。

さてここで1つ多様体の座標$\{u^i\}$をとりましょう。Christoffel symbolはこの座標に関する接続形式の係数として導入されます。
\[\omega^j_i=\Gamma^j_{ik}du^k\]
この式を使って曲率形式を計算していきましょう。
$u^i$に関する微分は$\partial_i$で表すことにして、
\begin{align*}
\Omega^j_i&=d\omega ^j_i-\omega ^k_i\wedge \omega ^j_k\\
&=d(\Gamma^j_{ih}du^h)-\Gamma^k_{il}du^l\wedge \Gamma^j_{kh}du^h\\
&=\partial_l\Gamma^j_{ih}du^l\wedge du^h-\Gamma^k_{il}\Gamma^j_{kh}du^l\wedge du^h\\
&=(\partial_l\Gamma^j_{ih}-\Gamma^k_{il}\Gamma^j_{kh})du^l\wedge du^h
\end{align*}
となります。

ここで、微分形式の係数を交代化します。
次の式だけは$l$と$h$は定数と思ってEinstein notationを適用しないで読んでください。
すると一般に
\begin{align*}
&f_{lh}du^l\wedge du^h+f_{hl}du^h\wedge du^l\\
&=(f_{lh}-f_{hl})du^l\wedge du^h\\
&=\frac{f_{lh}-f_{hl}}{2}du^l\wedge du^h+\frac{f_{lh}-f_{hl}}{2}du^l\wedge du^h\\
&=\frac{f_{lh}-f_{hl}}{2}du^l\wedge du^h+\frac{f_{hl}-f_{lh}}{2}du^h\wedge du^l
\end{align*}
と変形できます。

なので、一般の2-formは次のように係数を交代化できます。
(次の式からは$l$と$h$はindexと思ってください)
\[f_{lh}du^l\wedge du^h=\frac{f_{lh}-f_{hl}}{2}du^l\wedge du^h\]

これを曲率形式に適用すると$\Omega^j_i$は
\[\frac{1}{2}(\partial_l\Gamma^j_{ih}-\partial_h\Gamma^j_{il}+\Gamma^k_{ih}\Gamma^j_{kl}-\Gamma^k_{il}\Gamma^j_{kh})du^l\wedge du^h\]
と書けることがわかります。
分母を$R^j_{ilh}$と書くことにすると
\[R^j_{ilh}=\partial_l\Gamma^j_{ih}-\partial_h\Gamma^j_{il}+\Gamma^k_{ih}\Gamma^j_{kl}-\Gamma^k_{il}\Gamma^j_{kh}\]
となり、綺麗に添字を振りなおすと
\[R^i_{jkl}=\partial_k\Gamma^i_{jl}-\partial_l\Gamma^i_{jk}+\Gamma^h_{jl}\Gamma^i_{hk}-\Gamma^h_{jk}\Gamma^i_{hl}\]
となって昨日の記事の最後の表示が求まります◎

ちなみに、微分形式の係数を交代化しておけば外積じゃなくてテンソル積と思っていいので
(つまり$f_{lh}du^l\wedge du^h=f_{lh}du^l\otimes du^h$)
$\{e_i\}$として$\{\frac{\partial }{\partial u^i}\}$をとっておいて、曲率形式の導入のところでちらっと書いた変換性と合わせると
\[R=R^i_{jkl}\frac{\partial }{\partial u^i}\otimes du^j\otimes du^k \otimes du^l\]
という反変1価共変3価の4階のテンソルが定義できて、Riemann多様体のLevi-Civita接続に対しては、これがいわゆるRiemann曲率テンソルというやつですね!

やっぱり長くなってしまいました…コンパクトにまとめるというのは難しいです。

では明日発表頑張ってきます!
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テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

ring

Author:ring
大学で微分幾何学、位相幾何学を学ぶ。
修士課程修了後、就職。
会社勤めの傍ら、数学イベントやサイエンスカフェなどで、数学のおもしろさを平易に伝える活動をしています。

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