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Gauss曲率(つどい微分幾何1)

こんにちは。幾何学ファンのringです◎

「第4回関西すうがく徒のつどい」なるイベントで講演したことは昨日書きました(昨日の記事)。今日から、発表の内容について少しずつ紹介したり補足していきたいと思います。発表資料の一部はこちらからダウンロードできますので、興味のある方は是非ご覧ください。

「曲面の微分幾何学」というタイトルで講演しましたが、話した内容は大きく次の2つにわけられます。
1.Gauss曲率の計算
2.Gauss-Bonnetの定理

今日は、1.に出てくる「Gauss曲率」とは何かということについて書いてみます。

Gauss曲率は、名前の通りC.F.Gauss(1777-1855)により、1827年発表の「曲面の研究(Disquisitiones circa superficie curvase)」という論文で定義されました。GaussによるGauss曲率の定義は(妙な日本語ですね)以下のようなものです。

曲面の各点で、単位法ベクトル(接平面に直交する単位ベクトル)をとります。そうすると、曲面の各点にこの単位法ベクトルを対応させることで、曲面から単位球面への写像が定義できます。これをGaussの球面表示(Gauss' spherical map)と言います。

この写像を通して、曲面上の領域と単位球面上の領域が対応します。この2つの領域の比はある意味で曲面の「曲がり具合」を表しています(図形的に考えてみてください)。領域の面積を無限小に近づけたときのこの比の極限を、Gauss曲率と定義します。これがGaussのオリジナルな定義です。

私の講演では、Gauss曲率を「曲面のあらゆる方向への曲率を考えて、その最大値と最小値の積」と定義しましたが、この2つは一致します。

Gauss曲率の符号がわかると、ざっくりとした曲面の曲がり方がわかります。Gauss曲率が正ならばお椀のように丸くなっているし、負ならば馬の鞍とか峠道のような形になっています。面積の比が負になることがあるのは、向きも込みで考えているからです。詳細は省略します。

さて、Gauss曲率は「第一基本量」というものと「第二基本量」というものから計算できます。「第一基本量」は曲面に内在的な量ですが、「第二基本量」というのは曲面の外部の情報を必要とする量です。したがって、Gauss曲率は曲面の外部の情報を必要とする量と考えるのが自然です(だって、計算するのに「第二基本量」が必要だから)。

あるいは、Gauss曲率の定義の中で「単位法ベクトル」を用いましたが、これは曲面の外部の情報を使って定義されるものですから、やはりGauss曲率は曲面の外部の情報を必用とする量だと思われます。

ところがところが、Gaussは同じく1827年の論文の中で、「Gauss曲率は第一基本量だけから計算できる」という定理を示しています。これを「驚愕定理(theorema egregium)」と言います。見つけたGaussもよっぽど驚いたのでしょう。テンソル解析を使わずにこの定理を証明するのはさぞや大変だっただろうと思います。

「曲面に内在的な量」とか「曲面の外部の情報」とか、単語だけ聞いてもピンとこないだろうと思いますが、今日のまとめは以下の2点です。

1.Gauss曲率の符号で曲面のざっくりした曲がり具合がわかる。
2.Gauss曲率は曲面に内在的な量である。

次回からは、Gauss曲率の計算方法について少しずつ書いていこうと思います◎
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テーマ : 数学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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ring

Author:ring
大学で微分幾何学、位相幾何学を学ぶ。
修士課程修了後、就職。
会社勤めの傍ら、数学イベントやサイエンスカフェなどで、数学のおもしろさを平易に伝える活動をしています。

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